直線が真っ直ぐだなんてどうしても信じられなくて

7.5 高いビルから落ちてコンクリートと衝突する夢ばかり見るから、今日もなんだか頭が痛くて、朝から少し憂鬱だった。
麦わら帽子と夏の日差しと可愛い女の子が足りないからだ、などと自分勝手な不満を頭の中のプールに沈めなんとか誤魔化していた。
今日は夏だ、夏なんだ、と全然信じてないのに思ってはいる自分がおかしくて、時々目の前が真っ赤になりそうになる(これは別に軽くですが)。
相変わらず僕らの信じた未来は進んだ分と同じだけ先に予定が先延ばしにされていて、いつまで経っても近づいては来ない。
それでいて、「未来は明るいんだ」と駅で知らない人が笑顔で言っている。信じてもいない事を願う気持ちだけは理解できるよ。

13.3 時々、心のどこかに薄い合金の板が差し込まれたみたいに、思考が繋げない時がある。
別にショックなニュースが入ってきた訳でもないし、金曜日の次に月曜日が来た訳でもない。
猫はいつでも可愛いし、歩けば違う場所にいける。けれども何にも進まない。
そんな時は諦めて、次の日になるのを待つと元に戻っている。何なのだろう。

20.0 それぞれがそれぞれを探していた場合と、ある人だけがある人だけを探していた時、どちらが早く目当ての人を見つけられるのだろう。
吐いた空気が吸い込んだ空気より多い気がするんだ。
水色の絵の具ばかりが早く減るから、夕方の絵を描く事にした。
自然に別れられたのに、自然に出会えない。

33.25 33時15分。他人の存在をそんなに信じていなければ、この時間でも正気でいられる。
嘘と笑顔はきっと仲良しだ。人生はきっと幸せだって誰からも言って貰えないままでも、自分で考えてたんだ。
世界は浪間に揺蕩う小舟の様なもので、明日はいつまでも明日だから。とすればこんなお喋りに、意味なんてあるのだろうか。

222.17 やはり私は間違っていなかった。奴のつまらない研究を少しからかったばかりに頭に直接電極を繋がれ、培養液の中で過ごした数時間。
いや、体感時間で約170000時間。もううんざりだ。彼の研究熱心さにはちょっとついていけない。
だが今回の件で奴はもう終わりだろうな。今頃青ざめた顔でコンソールの前で震えているに違いない。
そう考えるとこの件も良い経験だったなと言えるかもしれないな。
空想の中で何回の生きる事が出来たし、馬鹿もやった。誰が? 私が? 何を? ?? 何を? ??? 誰が?。

00.032 「ええ、ええ」「はい」
「そうです。申し訳ありません……」 「今回も失敗です」
「またしてもオーバーフローです…………」
「今回は特異点に対する見直しと乱数周りの処理については、かなり改善を行ったのですが……」
「ええ、ええ」 「はい、すみません……」
「はい、報告書は今週中にまとめてお送りします」
「すみません。ええ、はい。よろしくお願いいたします」

「ああ、またしても失敗か」

「やっぱり無理なんだろうか、仮想世界の中で人間を作るだなんて」