こんばんは、私です。
皆様は、三年峠という民話をご存知でしょうか。
ざっくり言うと、転んだら三年で死ぬ峠で、おじいさんが転びまくるお話です。
……簡単に言いすぎましたね。
もう少し細かく話すと、三年峠と呼ばれる峠があり、そこで転ぶと、三年きりしか生きれらなくなってしまう。そのため、峠を越える人々は皆、転ばないように気を付けていた。しかし、一人のおじいさんが石に躓いて転んでしまう。その日から、おじいさんは食事もとらず、家にも出なくなり、とうとう病気になってしまう。おばあさんの看病も空しく、病気は重くなるばかり。
そんなある日のこと、見舞客から「何度も転べば長生き出来るのでは?」という思い付きを聞く。色々考えた末、その気になったおじいさんは、三年峠に行き再度転ぶ、すると何故か元気になり、その元気たるや、その後調子に乗って峠から麓までゴロゴロと転がり落ちる始末。その後はすっかり元気を取り戻したまま、おばあさんと二人仲良く長生きしました。めでたしめでたし……というお話です。
さて、何故この話をしたかと言うと、なんだか三年峠のシステムが気になったからです。
読後になんだか疑問が残るのです。
つまり「結局三年峠とは何だったのだ?」という疑問です。
物語の序盤では、三年峠は以下のようなものとして言い伝えられていました。
「残りの寿命がどんなに残っていても、転ぶと寿命が三年間になってしまう峠」
なんだかしっくり(謎ですが)きます。残りの寿命が三年以下の場合に、どうなるかについては言及されていない点は気になりますが。まあこの後の展開はそんな想像を超えてきます。
そして物語の後半、おじいさんは例の、何度も転ぶことで寿命を伸ばす、というバグ技を披露したのです。これはひどいです。バランス崩壊もいいところです。RTAなら禁止でしょう。
これはおかしいでしょう。先ほど浮かんだ「寿命が三年以下の処理はもしかしたら考慮されてないかも」という疑念を超えてきました。転べば転ぶほど寿命が増えるですと?。それってどういうことなのでしょう?。バグではなく、元々それを狙って作られていたとしか思えません。いや、寿命についての我々の認識がそもそも誤っている可能性もありますね。寿命はそもそも値として存在しているのではなく、複数のリスクが存在し、そのどれかが死を招いた結果、いきなり0になりそうな気もします。逆に、三年峠で転んだ後の三年間は、通常は死ぬようなことがあっても死なないのか、等々新たな疑問が浮かびます。
ああ、話がそれました。つまり、おじいさんがその身をもって確認した三年峠の真の姿とは
「今までに転んだ回数 × 三年間 = 寿命」
という謎の方程式を押し付けるものだったのです。これは難しい、普通気付きません。「転んだショックでまた転んでしまった結果、意外と長生きした」とかならわかりますが、わざわざまた転びに行くとは大したものです……。脱帽です、これはもう拍手を送るしかないでしょう。
私は何を書いているんだ………………。
ではまた。